家庭用のプリンターを新たに購入しました。自宅で書類の印刷や、たまのコピー・スキャンができれば十分。できれば安く、それでいて使い勝手のいい複合機がほしいと思っていました。
そこで選んだのが、キヤノンのエントリーモデル『PIXUS TS5630』です。実際に使ってみると、価格以上の快適さがありました。とくにADF(自動原稿送り)が付いているのは、この価格帯では大きな魅力です。
ただ、ひとつだけ、どうしても惜しい欠点もありました。今回は良かった点と、その正直な不満をまとめてレビューします。
PIXUS TS5630とは

PIXUS TS5630は、キヤノンの家庭用インクジェット複合機です。2025年10月に発売されたエントリーモデルで、実売はおおむね16,500円前後(2026年7月現在)。

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プリント、コピー、スキャンを1台でこなせる複合機です。最大の特徴は、この価格ながらADF(自動原稿送り装置)を搭載していること。原稿を1枚ずつ差し替えなくても、複数枚のコピーやスキャンを連続で処理できます。
印刷面でも進化していて、印刷指示から実際に刷り始めるまでの待ち時間が、従来機よりぐっと短くなりました。インクは4色ハイブリッドで、自動両面プリントにも対応します。給紙カセットや排紙トレイ、操作ボタンをすべて前面に配置した新デザインで、どこを触ればいいか一目でわかります。
1.42型の有機ELもついていて、設定や状態の確認もしやすい一台です。もちろんWi-Fiに対応し、スマホからの印刷もできます。専用アプリ『Canon PRINT』を使えば、スマホの写真や書類をそのまま印刷でき、日常づかいはかなり手軽です。本体もコンパクトで、棚や机の上にすっきり収まります。



スマホから直接印刷できるのは地味に便利!
使ってよかった点


まずは、使ってよかったと感じた点から紹介します。値段以上に満足できたポイントが、いくつもありました。
ADF搭載で連続コピー・スキャンがラク


いちばん買ってよかったと思うのが、ADFの便利さです。複数枚の書類をコピーするとき、これまでは1枚ずつガラス面に置き直していました。TS5630なら、原稿をまとめてセットするだけ。あとは自動で1枚ずつ送りながら、連続でコピーやスキャンをしてくれます。
例えば10枚くらいの書類をコピーしたいとき、ADFがないと1枚1枚印刷をしなければなりません。それがないだけでも、かなり手間が減ると感じています。
印刷が速く、自動両面も便利
印刷まわりの快適さも、想像以上でした。この機種は印刷プロセスを見直していて、印刷ボタンを押してから刷り始めるまでの待ち時間が短めです。急いで1枚だけ出したいときに、この“待たされない感じ”はかなり効きます。自動両面プリントに対応しているのもうれしいポイント。
資料や家計のメモを両面で刷れば、紙の節約にもなります。いちいち用紙を裏返す手間がないので、ページ数の多い書類でもストレスがありません。日常づかいの印刷が、ぜんぶ気楽になった印象です。
前面配置デザインとこの価格




操作のわかりやすさも、地味に効いてくる魅力です。TS5630は、給紙カセットや排紙トレイ、ボタン類をすべて前面にまとめています。用紙の補給も操作も正面で完結するので、壁ぎわに置いても使いやすいんです。
プリンターは久しぶりに触ると操作を忘れがちですが、これは迷いにくい設計だと感じました。そして何より、ここまでの機能がそろって実売16,500円前後というのが驚きです。
ADFや自動両面まで付いてこの価格なら、家庭用としては十分すぎるコスパだと思います。安いから妥協した、という感覚はほとんどありませんでした。
唯一にして最大の欠点はクラウドに直接保存できない


ここまで褒めてきましたが、正直に言うと、大きな欠点がひとつあります。それは、スキャンしたデータを、クラウドへ直接保存できないことです。私はスキャンした書類を、Googleドライブにためておきたいタイプ。ところがTS5630では、本体の操作だけでGoogleドライブなどへ直接保存する、という使い方ができませんでした。
データを取り込むには、いったんパソコンを立ち上げて、そこ経由で保存する必要があります。ふだんスマホやタブレット中心で生活していると、この“わざわざPCを起動する”というひと手間が、地味にストレス。せっかくスキャン自体はサッと終わるのに、保存でつまずく感覚があります。
スキャン機能自体はきれいで速いだけに、この保存まわりの制約だけが本当に惜しいところ。あと一歩でパーフェクトだった、というのが正直な感想です。ペーパーレスを意識して、書類をどんどんクラウドに集約したい人にとっては、ここは無視できないポイントだと思います。
もちろん、パソコンを使う前提なら問題はありません。定期的にまとめて取り込むスタイルの人なら、そこまで気にならないはずです。ただ、私のように“スキャンしたらそのままクラウドへ”を期待していると、少しがっかりするかもしれません。価格を考えれば割り切れる範囲ではありますが、購入前に必ず知っておいてほしい一点です。



めんどくさがりの私ならではの欠点です….
クラウドに自動保存できる機種ってそもそもあるの?
複合機だと、正直このあたりは弱いのが実情です。でも、スキャン専用機まで広げると、答えは『あります』。その代表が、PFU(現在はリコー系)の『ScanSnap』です。


ScanSnapには『ScanSnap Cloud』という機能があって、パソコンを介さず、スキャンしたデータを直接クラウドへ自動保存できます。あらかじめGoogleドライブなどを保存先に設定しておけば、あとは本体のボタンを押すだけ。読み取ったデータが、勝手にクラウドへ飛んでいきます。私がTS5630でほしかったのは、まさにこの体験でした。
注意点は、これが『スキャン専用機』だということ。印刷やコピーはできません。ですが、逆に言えばスキャンに全振りしているぶん、快適さは複合機の比ではありません。書類のデータ化やペーパーレスが目的なら、これ一択と言っていいほどおすすめです。



コピー機能がいらなければ、私はこれを買っていました!
こんな人におすすめ/向かない人


ここまでの内容から、TS5630が向いている人は、はっきりしています。家庭用として、印刷やコピー、スキャンをそこそこの頻度でこなしたい人。そして、なるべく安く、それでいてADFや自動両面といった便利機能もほしい人です。
この条件なら、コスパの高さに満足できるはずです。とくに、たまにしか使わないけれど、いざというときにADFやスキャンがほしい家庭にはぴったりです。
一方で、スキャンしたデータをそのままクラウドへ保存したい人は、少し立ち止まって考えたほうがいいかもしれません。パソコンを介する手間が許容できるかどうかが、判断の分かれ目になります。逆に言えば、そこさえ割り切れれば、価格以上に活躍してくれる一台です。



ほとんどの人には刺さる!はず!
まとめ


キヤノンのPIXUS TS5630は、クラウドへ直接保存できないという弱点こそあるものの、それを補って余りある使いやすさとコスパを備えた複合機でした。ADFや自動両面、そして印刷の速さは、実売16,500円前後とは思えない充実ぶりです。
家庭でふつうに印刷やコピー、スキャンをするぶんには、不満はほとんどありません。クラウド保存の一点さえ許容できるなら、自信を持っておすすめできる一台です。コスパ重視で複合機を探している人は、候補に入れて損はないと思います。これから家庭用の複合機を初めて買う人にも、安心してすすめられる完成度でした。






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